コイルスプリングでリフトアップした我が家のジープJKラングラー・アンリミテッド・ルビコン(右ハンドル)にテラフレックスの前後トラックバーを取り付けた という内容の記事です。テーマは月並みですがその取付けに関して、特に右ハンドル車のリアはネットで実用的な情報が無かったことがこの記事を書いたきっかけです。
自動車整備作業では大怪我をすることがあります。作業は知識と適切な設備がある場合のみ行ってください。不安がある場合は、信頼できる整備士に依頼してください。
車両の点検や整備を適切に行わないと、故障の原因になり、車両の操作性や性能に影響を与える可能性があります。これは事故の原因になることがあります。
準備
部品調達
テラフレックス社の公式オンラインショップ(米国サイト)で前後トラックバーを購入して個人輸入しました。
個人輸入に不安がある方は信頼できるショップにご相談することをお勧めします。サポートに不安がある場合は日本メーカーの部品を調達することができます。


テラフレックスの部品番号(SKU)は以下の通りです。フロントとリアそれぞれ必要です。
フロントは右ハンドル車専用部品を購入しました。
名称 | 部品番号(SKU) | 備考 |
---|---|---|
JKラングラー右ハンドル用 調整式フロント・トラックバー(JK Right Hand Drive Front Forged Adjustable Track Bar Kit) | 1753488 | 右ハンドル車用 |
JKラングラー用 調整式リア・トラックバー(JK: HD Forged Adjustable Track Bar – Rear (0-6″ Lift)) | 1754418 |
調整式のアジャストメント・スリーブ(aka ターンバックル)は錆びやすく、テラフレックスのスリーブがBeefyなことも相まって、固着すると思わぬ苦労をすることになりそうです。前後トラックバーとドラッグリンクのアジャストメント・スリーブのかじり予防になればとネジ山潤滑材(スレッド・コンパウンド)を塗りました。

手持ちのチューブタイプ使いましたが、スプレータイプが塗布に優れます。
車両の水平出し
作業にあたっては安全のためAT車はPレンジ、MT車はギアを入れ、サイドブレーキを掛け輪留めをするなどして、車両が動かないようにします。
ガレージの床は水平が取れていないのでレーザー墨出し器を使って車体の水平出しをします。
建築用で安価な(Amazonで1万円強の)製品ですが写真映えするのでガレージのDIYリフォームで実績があるので使います。
レーザー墨出し器を4輪の中央辺りに置きます。付属のマグネットスタンドで高さを調整をして、水平線をホイールの下端に合わせると高低差を目視しやすいです。
ジャッキアップしてタイヤの下に鉄板などを噛ませて水平を出します。

調整式トラックバーの取付け
DIYではフェンダーから下げ振りを垂らしてタイヤとの隙間を測定する方法が一般的ですが、ジープのボディって精度出てるの?と疑問があったので、”DIYでできること。そして、より正確で簡単にできること”を上位目標にしていくつかの方法を試してみました。
ただし、リフト量やタイヤサイズによって一番やり易い方法は異なりますので個々でアレンジが必要なところだと思います。
リア
フレーム側とアクスル側のボルトを外せば取り外しできます。取付けは逆の手順になります。
アジャストメント・スリーブのクランプは外径を均一に締め付けないタイプです。スリーブのスプリットとクランプの開口部を合わせるようにしてボルトを締めるようにしました。
調整の結果、スプリットとクランプのボルト上向きになりました。スリーブに雨水が溜まりそうですが地上高を確保できるメリットはあるので個人的な好みです。また、クランプがアクスル・チューブなどに干渉しない位置になっていることを確認します。

測り方 & 調整
リア側は、フレーム(サイド・メンバーの)外側からタイヤの外側までの距離を測定しました。タイヤのブロック・パターンには”ランダムさ”があるで注意して測りましょう。
メジャーで測定できますが、下の写真のようにレーザー距離計で測るとより早く確実に仕事ができました。
左右でこの距離が同じになるようにトラックバーのアジャストメント・スリーブを回転させ調整することでセンターが出ます。


フロント
フロントもリアと同様に、フレーム側とアクスル側のボルトを外せば取り外しできます。取付けは逆の手順です。
取り付けるときにボルト穴が合わない時はハンドルを少し切ることでボルト穴の位置合わせができます。
純正(上)とテラフレックス(下)の比較。

両端はゴムブッシュになる。
測り方 & 調整
フェンダーから下げ振りを垂らしてタイヤとの隙間を測定する方法が一般的ですが、フェンダーの精度に疑問があります。また、フロント側を正しく計測するには、ハンドルを真っ直ぐにすること、そして正確に測れる場所を見つけることも大切です。
リフト量やタイヤサイズによってもどの方法がやり易いかは変わります。
今回は写真映えを狙って水平出しに使ったレーザー墨出し器でフロント側の測定と調整をしてみます。
先ずは車体中心線を出します。サイドメンバーの内側をメジャーで測ると、ラジエーター・クーリング・ファン・モジュールの水抜き穴(だと思う)がちょうど車体中心の目印になることがわかりました。

車体の水平を出した上でレーザー墨出し器の前後方向垂直線を車体中心の目印(上述の水抜き穴)に合わせます。左右方向の垂直線はナックルのボールジョイントのボルトの中心に合わせました。
この状態でホイールのインナーリムのフランジ(左右垂直線が当たっているポイント)から、前後垂直線までの距離を測ります。
左右でこの距離が同じになるようにトラックバーを調整することでセンターが出ます。

ドラッグリンク調整
トラックバーと同様にアジャストメント・スリーブを回転させることで調整します。直進している時にハンドルが真っ直ぐになるところに合わせます。

小括
各部のボルトサイズと締め付けトルクを以下の表にまとめました。
50~100km走行したら増し締めしましょう。
トルク&ボルトサイズ一覧
名称 | ボルトサイズ | 締め付けトルク | 補足 |
---|---|---|---|
フロント・トラックバー・フレーム・ブラケット・ボルト | 21mm | 125 ft-lbs | |
フロント・トラックバー・アクスル・ブラケット・ボルト | 21mm | 125 ft-lbs | フラグナットのためナット側は工具不要 |
フロント・トラックバー・アジャストメント・スリーブ・クランプ | 15mm | 45 ft-lbs | テラフレックス社製品 |
リア・トラックバー・フレーム・ブラケット・ボルト | 21mm | 125 ft-lbs | |
リア・トラックバー・アクスル・ブラケット・ボルト | 21mm | 125 ft-lbs | フラグナットのためナット側は工具不要 |
リア・トラックバー・アジャストメント・スリーブ・クランプ | ボルト:15mm ナット:18mm | 45 ft-lbs | テラフレックス社製品 |
ドラッグ・リンク・クランプ | 15mm | 26 ft-lbs |
まとめ
テラフレックスのトラックバーを取り付けたくてネットで調べていたところ、右ハンドル車に取付けしたという内容の記事が見つからなかったことがこの記事を書くきっかけになりました。
この記事を公開するに先立ってセルフレビューすると”ただアライメントを測定する遊びを楽しんだ”という趣旨の内容になっていたことに気が付きました。その点ご容赦ください。笑
長くなってしまいましたが、最後まで記事を読んでいただきありがとうございました!
もしより良い方法があればこっそりお問い合わせフォームから教えてください。笑